地球史上最も特殊な形態のムルタム 文明は この時を 境に滅びの道を転げ落ちていく 

精霊 や妖精たち それに 妖怪たちは ムルタムの自然の中で一体化し それで滅びていくのならそれもまたよしとしていたが 

人類はそうはいかなかったのである 

人類だけが自分が自分だけは という エゴを育ててしまってそのとらわれから抜けられずにいたのである

エゴはこれだけで滅びるのは嫌 

まだまだやりたいことがある

という強い意識を持ったまま あがいていくことになる

妖怪たちは基本的に ピュアな存在だ 

ピュアじゃない 存在は妖怪を選ぶことはなかったしそもそも 妖怪にはなれなかったであろう 

その器である妖怪という体には呼応しなかったということである

それゆえに あのブドウは酸っぱい式のすり替えで妖怪をかえって貶めたり

下に蔑むんだりしてしまうのである 

人類はその段階だった

妖怪たちは滅びるのならそれでもいい、宿命を受け入れる 諦めがあった 

諦めの境地 というか円熟しているというか 

ある意味 自然な老境の境涯にあったのである

人間たちは自我が強い 故に 

まだまだ 滅びることができない 

もっとやりたい

という欲望が際限なく湧いてきている 

1つには 種として若いと言えるのかもしれない 

それがいい 悪いということではなく 

若い あるいは幼いということなのであろう 

まだ先が ある

まだ至るべき 段階がある

ということなのであろうか