前の生でもそうであったがここでもサタンの目の力が 威力を発揮して人心の掌握と適材適所の使い方が的を得て その勢力を確固たるものにしている

サタンは40歳でこの生を終えている 当時 このムルタムの人々の平均寿命は35歳くらいだったから 長生きといえば長生きだったが 毒殺されている

犯人は当時25歳の息子であった

サタンほどのものがどうして毒殺されるということがあるのであろうか。ましてや その息子に殺されるとは

息子をそそのかしたのはそのハーレムにいる一人の女性だった

彼女はサタンの母がいた、大臣の後宮にいた女性の娘だった

少し ややこしいのだが サタンとこの女性の関係は 腹違いの姉妹の子供ということになるのだろうか

この女性はサタンが40歳になっても依然 力強く その勢力も衰えず

このままでは自分の主人である サタンの息子の時代がいつまで待って もやってこないことに苛立ちを持っていた

また彼女の母親がかつての王様の妾の一人として その生涯を終えたのに対して

サタンはこの国の実質的な主権者まで上り詰めたことに対する嫉妬や妬み 何とかやり込めたいという思いがあったこともあった

息子は息子で、このまま 母が生きていたのでは困る いつまでたっても自分が権力を握らない、と勝手なことを思っていた

サタンはそんな事情は実は全て知った上で毒を煽っている 知っていて殺されているのである

私がいなくてもやって受けると思うなら殺す がいい そう思っている

息子をそそのかした女性に対する対抗意識もあったようだ 

また 少し サタン もこの時には衰えていたようだった

最後にサタンに聞いてみた 何で4回目の生では女性になってきたのであろうか

子供を産むということをやってみたかった

サタンの意識 そのものが地上に 自分として出たのはこの生が最後であった