さて このムルタムの支配者階級の人々はおおむね 超能力の力が強い人々であったが 身体的な特徴として 耳がとんがっていたということがある

人それぞれだが基本的には 動物的な耳をしていた

またサタンの系統の支配者層には八重歯のような 牙まではいかないのだけれど

笑うと下に突き出る 小さな牙が生えていた

だから現代のサタンのイメージはここから来ているのかもしれない しかし 尻尾はないようだ

またサタンはこの時女性だったが 髪の毛はロングでさらさら ヘアーをしている そして男性でもロングの人は結構いたようだ

ムルタムに流れ着いた 流浪の民は最初は仲良く暮らしていたのだがやがて 権力闘争が始まって 最も 超能力の強い家系 の 者 たち が 王族として君臨するようになった

その後も 小競り合いはあったのだが サタンの時代の頃には ある程度 落ち着いていて 王家と複数の貴族という関係で安定していた

サタンはその貴族の家に生まれており 父親は 王家に勤める 神官兼大臣といったようなくらいにあった

大臣の妃とは別に多くの女性が大臣に仕えていたが その後宮にいた 第二夫人の子供がサタンであった

この中には 常時5人 6人の夫人が囲われていたが その子供の全ては女の子だったのである 

つまり サタンの兄弟は全て 女ばかりでしかも全て 腹違いであった

これには訳があって 後宮の婦人たちはやはり大臣の寵愛 を自分が一番受けたい 

あるいは 妃に男の子が生まれていないので男子を産んであわよくば跡継ぎを産みたいと色々画策していた

しかし その欲望がいい方に働けば まだ良かったのだが陰湿な マイナスの方向性を帯びて 血の匂いのはびこる世界を形成してしまったのである 

他の女性が大臣のお気に入りになったりするとそこには羨望と嫉妬 憎悪と恨みの入り混じった どす黒い感情が争いを呼び起こし

自分で 呪いをかけたり 及ばない時は専門職の呪術師に頼んだりしていた

これはお互い男の子が生まれないようにする呪術を主にかけている

だからこの時にはいまだ子供は女性ばかり という 偏った構成になっていたのである 

また大臣に調和を受けている女性に若い男を 接近させて 

結果的に子供を産ましたりしている 

これをやられた女性は密かに子供を始末せざるを得なくなり そこで流す 血が深い 怨念のような波動を後宮に溜め込んでゆくのである