エル・ランティたちは4つの惑星での生命体 創造 実験ではそれなりに高度な生命体を作りたかったようなのだが技術的に無理だったのだ。 本来なら独立して地上 歩き回り 自分たちで食料なり 栄養を摂取できる生命体を望んでいたのだが 結局は 培養土のようなゼリー状の有機 ゴケを地上にはびこらせ ( これもランティー たちがやっている) そこから栄養を取るしかなかったようだった。 つまり イルプロラシオンの住人たちは エル・ランティー たちによって作られた 独立した生命体というよりは、いわば 家畜か 養殖場の鶏のようなものであった。 この培養土のようなものが栄養であり ゆりかごでもあったのだ。 いわば 胎盤 といったところだろうか。つまりこの上でしか この環境でしか 彼ら 生命体は生きることができなかったのである。 しかも生命形態が単性生殖という 原始的な形で ( 彼らの科学力ではそこまでが限界であった) それではあまりにも自分たち ( エル・ランティー たち) の自尊心が損なわれてしまうということでせめて男女の区別だけでもつけようと 形式上の男女の区別をつけていたのである。 イルプロラシオンの住人はエル・ランティたちとは少し 物質波動が違って 魂魄の形ではあったが、かなり 物質に近い波動をしていた。 それでも 魂魄は魂魄だから霊感というか テレパシー能力はそれなりに有していた。 そうした中でも特に 感応 能力の強いものが神官のような役目を果たして エル・ランティー たちからの指令を統治に反映させていたのである。 だから自分たちを創造したエルランキーたちを 創造神・絶対神 としての神と崇め 祀っていたということもあるのだ。 地面には ゼリー状の栄養素がいつでもどこでも存在しているのである。 それはイルプロラシオンの人々にとっては 神の恩寵 であり愛でもあった。 しかし 客観的に見てみると その状況は 単にエル・ランティー たちが自分で食料を生産 取得できる高度な生命点が作れなかったということであり、 それをさておき 逆に自分たちを 崇拝させるように 神の恩寵・愛と教え込んでいたのである。 もちろんこうした 温室 育ちの人々にはそれ以上の 進化の道は開けてはいなかった。 その状況はイルプロラシオンという惑星意識に巨大なストレスを溜めてしまうのだ。 ある意味 今の地球とよく似た状況だったと言えるかもしれない。 惑星 自体が希望を持てずほぼ絶望していたということであろうか。 惑星がその寿命を終えようとしていたのである。