少し イレギュラーな存在だが 監獄というか何が シールドされた部屋に監禁されてる人がいる 

顔は男性ならちょっといい男なのだが全身が鱗で覆われている

魚というわけではないのだが 外見 エラはない 青っぽいキラキラした綺麗な鱗に全体が覆われている

この男性はどんなものでも 念動力だけで破壊してしまうという能力を持っている人物なのだが その力を自分でコントロールできなくて 

ただ存在するだけで周囲を破壊し尽くしてしまうという非常に危険な人物だったのである

別に頭がおかしいとか 獰猛な性格であるとかというのではないのだが とにかく その力をコントロールできないのだ 

子供の頃からここにずっと監禁されていて戦争などの必要な時にだけ出されて利用されている

彼の身 になってみれば かわいそうな身の上とは言えるが注意はどうしようもないようだった 

超能力者たちの社会ではそういう人物も存在したのである

このような多様な人々が ムルタム という文明を構成していた

おそらく そこには大雑把に分けても 100種類以上の人種がその多様性を展開しながらもそれなりに調和を保って独自の文化を形成したのである

彼らはそれぞれに仕事を持って 役割があったが それでいて お互いを認め合って  調和していたのである

そこには 40万年以上にも及ぶ 迫害と流浪の歴史を持つ民だったからこそ人の痛みが分かってその悲しみを知る 優しさがあって

お互いを認め合うことができるという特質があった

彼らの独自性 はこのムルタムで極みを頂点を得た

同じ時期の同じ地球上でも他の地域ではここまでの多様性は展開しなかった 

これまで 地上にあった文化としてはある 意味 極まって 爛熟した文化と言っても良いかと思える

もうこれ以上はないというところまで突き詰めて滅びる 一歩手前 腐りかけの一歩手前の文化というか 

そういう 一番美味しい熟し切った文化にまで行きついてはいたのだ

多様性を極めたと言ったが 1970年代にあったような組織を変えていく 他を潰していく 他人を変えていくというような暴力的なものではなかったのである

個々人が何かを別々に主張するというような若い不安定な対応性ではなく もっと精神面で安定した大人の文化であった 

多様性にあっても それぞれに 秩序は保って 衰退とか退廃とか 爛熟に向かっているという精神面での極みであるところの 爛熟 

完成を目指したものだった

だが 現在でいう インモラル というのではなく もっと静かに 自己の内面を追求した文化でもあった

それでは 饅頭 星人みたいな科学者たちはどういう形で その精神性の極み というものを享受していたのであろうか

実は 彼らも同じく 科学という方向性で精神的な 爛熟 というものを味わっていた

我々 現代人とは 科学といえば 唯物的な人間の現在の五感 をベースにした観察結果による機能 法的理論を科学としているが

いかに その語感がはかないもの あやふやなものかを理解したならば 科学というものの本質をもっと見つめ直す必要に迫られることになる

量子力学というのは 突き詰めてしまえば人間の五感の限界を見極めてその観察 限界の中の科学としているところに現実性があるのだ

しかしこれからの人類は 科学というものの持つ精神性というか その方向にある可能性に気づくことによって さらなる進化を遂げることになると判定できるのである