サタンの父親は色々なものを手広く扱う商売をやっていた。生活用品が主なもので小麦などの食料 水衣服などの卸をメインに商って何軒かの店を自分で持ち、 それぞれ 息子や親戚のものに やらせたりしてかなり手広く 商売をしていたようだ。 父親には何人かの女性がいてその女性たちにできた息子たちにお店をやらせていたのである。 サタンもそんな息子の一人だった。 サタンの住むところは オアシスにできた小さな町で市場が定期的に立って そこそこ 活気があって 行商人が 往き来する田舎町 だった。 サタンは商売がらそうした 行商人とはよく話を交わして遠い都市の賑わいを 噂に聞いていた。 いつかはここを出て そんな夢のような都市に行ってみたいといつも思っていたようである。 この人生が初めての転生ではあったが その後も常に持ち続けた美形という こだわりは備えていて いつも自分より美しいものはいないくらいの自尊心を持っていたのである。 だからこの人生では結婚はしていない。 たとえ 女でも俺にはかなわないだろう 俺にふさわしい女などどこにもいない。 くらいの自信はあったようだ。 ナルシストといえば ナルシストだったが 実際 かなりの美形でそれも怪しい系の一種独特な美しさを持っていた。 サタンの4階の生 を通して共通することだが それは現在 述べた 美形であったということと、あまり物事にこだわらないというところがある。 物事にこだわらないというのはちょっと 漠然としているが社会常識や 決め事に縛られないと言うか そうした 縛りからはずいぶんと自由な生き方をしていた。 ただこの生は いかんせん 初めての 地上 転生 だから幾分 遠慮していたのであろうか それほど 傍若無人なことはしていない。 せいぜい交遊相手が女性ばかりではなく 男性もあったということぐらいである。